盛岡市「フキデチョウ文庫」現地レポート

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    認知症カフェとは何かを考える上で、

    いつか訪れたいと考えていたのが「フキデチョウ文庫」です。

    こちらは私設図書館と通所介護施設が一体となって運営されており、

    デイ利用者でなくても365日だれでも立ち寄ることができるとされている場所です。

     

     

    フキデチョウとは屋根葺き職人が集まる町であった

    「葺手町」という古い町名に由来するそうです。

    江戸時代から続く肴町商店街や、旧盛岡銀行本店(現・岩手銀行赤レンガ館)が近く、

    フキデチョウ文庫の立地は旧商業地の中心部といっていいでしょう。

     

     

    あまり早いと送迎の邪魔になるかもと、9時を少し回った頃合いに訪問しました。

    まだ1階は人影なくひっそりとしていましたが、すぐに奥にいた職員の方が出てきてくれました。

    来意を告げると快く歓迎してくださり、一通り建物内を案内していただきました。

     

     

    1階には書架が並び、まさに図書館といった景色です。

    蔵書は漫画から文学まで幅広く、

    あえて読者対象を絞っていないようにも感じられました。

     

     

    2階はキッチン、リビングダイニングがあり、デイサービスの場所となっていますが、

    こちらにも書架があり、だれでも上がってこられます。

    親子で読めるような絵本は2階にあるということで、

    高齢者との交流を図っているのかもしれません。

     

     

    そのほか建物の構造にも交流のための仕掛けがあるように感じました。

    たとえば2階に上がるためのエレベーターが書架を抜けた奥にあったり、

    デイサービス利用者のための浴室が1階にあったり、

    高齢者と図書館利用者が自然と行き交うようになっていました。

    お互いを風景とするようなちょうどいい距離感に、

    駄菓子屋で開催される横浜の認知症カフェを思い出しました。

     

     

    午後になって一般の人も訪れ始めました。

    まずは普段着の男性がひとりで。

    次にお孫さんを連れた(と思われる)女性、

    そして中学生たち。

     

    中学生たちは随分慣れた感じでした。

    話かけてみると小学4年生の頃から来ているとのこと。
    オープン当初、利用者の少なかったフキデチョウ文庫に、

    最初に通い始めたのはマンガ目当ての小学生だったと聞いたことがあります。
    我が子らの「秘密基地」がどんな場所か、親たちが心配して見に来たことで、

    フキデチョウ文庫は地域で周知されるようになっていったそうです。
    もしかしたらあの中学生たちは、最初の常連さんだった子たちかもしれません。

     

     

    今回は施設代表の沼田雅充さんにはお会いできませんでした(アポ無しなので当然です)。

    しかしスタッフの方が電話をつないでくださり、お話しさせていただきました。

    「フキデチョウ文庫は認知症カフェと言えるでしょうか?」というこちらの質問に対し、

    沼田代表は「この場所がなんなのか、決めていません」というお返事でした。

     

    施設であり、図書館であるだけでなく、

    イベントが行われたり、まちづくりの舞台となるフキデチョウ文庫。

    異なる属性を持ついろいろな人々の参加により、

    いく通りもの可能性を持つ不定形の場、というあり方は、

    わたくしが全国を見て歩いて思い描く

    認知症カフェの理想像とも一致します。

     

     

    「フキデチョウ文庫」

    開催日時:毎日、9時から17時

    開催場所:盛岡市中ノ橋通1丁8番6号

    連絡先:019-624-2220

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